Ikebana highwayいけばな街道
いけばな街道のお花を作成される高齢者様
2019.09.01
2019年生け花街道に向けて~高齢者施設での作成から現地装飾まで~
いけばな街道に飾るお花を認知症高齢者の方を中心とした方々に生けていただきました。
奈良からはこのメッセージと共に、エリシオン学園前様の高齢者様22名の方ににご参加いただきました。
「京都の嵯峨野はご存知ですか?」
「行灯のお祭りに竹を組んで、こんな風にして今から生けて貰うお花を飾るんですよ。」
お一人ずつに写真をお見せして説明しました。
「京都行ったことある!」 「なんや、灯籠流しみたいやな。」
「私のお花を?恥ずかしいわ。」 「行って飾ってくれはるの?そら、私もお手伝いに行かなあきませんわ!」
皆さん、お花を生ける迄に盛り上がって下さいました。
お花はスターチスです。 普段は脇役的なお花ですがいけばな街道では主役です。
炎天下にも枯れないお花ということで、元々枯れにくいスターチスをドライフラワーにして使用します。
ずっと色鮮やかなままを飾ることが可能になるのです。
こちらはドライフラワーにする為に事務所天井に吊り下げた2000本のスターチス。圧巻です!
スターチスは今年から和歌山JA紀州様と北海道JA北空地様と連携協力で実施していきます。
スターチスの花言葉「途絶えぬ記憶」もこの取り組みにしっくりきます。
さて、作品の作成です。いつもの生花とは違うので、高齢者の方々はこんな反応をされました。
「なんか、カサカサな花やな。」 「これ、曲がらへんわ…」
確かにカサカサ。ためられない。いいとこ突いてこられます!(笑)
「お外に飾るので、枯れないようにドライフラワーにしてあるんですよ」とご説明すると
「やっぱり!私はドライフラワーやと思ってた。」「ほんまかいな~。」(笑)
生けるまでに何度も大爆笑で、本当に会話が弾みました。それだけで嬉しいことです。
作品はスターチスとニューサイランやレモンリーフ、ハランやアカシヤ等の葉を自由に生けていただきます。
色んな葉の使い方をお伝えして、後はご自身の感性で生けていただきます。
ニューサイランひとつとっても、先を裂いたり、丸めたり、ためたり、長いままを活かされたり、短く何本にも分けられたり、素晴らしい個性と感性です。
この作品を嵯峨鳥居本に飾ります。それがこちら。
穴を開けた竹や、割って作った竹の器に葉をあしらって飾りつけました。
こちらは 「 be京都エデュケーションプログラムこどもいけばな教室」 さんの作品と一緒に。
お子様の作品は折り紙や松ぼっくりも入って可愛く工夫されていますね。
夜はこんなに美しく幻想的な世界! 夜の街並みに浮かび上がる花と行灯の競演です。
同志社大学の学生達の街作り活動のひとつとして実施された浴衣の着付けのお蔭で、何十年ぶりに、しかもこのお年頃にしては~(≧▽≦)かわいい過ぎる浴衣を着せていただき、とても嬉しい体験ができました。 記念写真は宝物にします!!
高齢者の方が生けられた花は街道の行灯と共に人々の心を癒してくれました。
高齢者の方がいけばなを通して社会、地域、文化に関わり、役割を担って下さったわけです!!
私自身もいけばな療法を実践しているエリシオン学園前様、地域やボランティアの方々、フラワーサイコロジー協会のチームの皆さんと共に意義ある活動に携われたことに感謝しております。今後も健康長寿社会といけばなの新たな挑戦に努めていきたいと思います。