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Ikebana therapyいけばな療法

手と手を重ねたら 他者との繋がりを感じる時間に。

2019.04.10

高齢者施設では、お花に没頭する時間も、会話を楽しむ時間も、とても大切な時間です。

 

     

 

いつも口数の少ない方ですがお声掛けすると、ぽつりぽつりとお話される方がいらっしゃいます。

せっかくお話して下さる機会は大切にしたいのでじっくりお伺いします。

 

すると側でお花を生け終わられた方が、一人ぽつんと手持ちぶさたにされています。

ずっと、ぽつんと。

『ああ、お声掛けしなくては』と思いながら、お話している方のお話を中断することもできません。

 

それで、ポツンとされてる方の手を握りしめて、お話をされているの方のお話を聞きました。

手を振っている方は、私が伸ばした手を握り返して黙って微笑まれました。

 

それから、暫くして「ああ、先生の手は温かい。」と呟かれましたので
これまで話していた方に「私の手は温かいですか?」とこの方の手も握りました。

それから、両方の方にお話していきながら、今度はお二人の手と手を重ねてみました。

お二人はにこにこしてお話されましたので、私は別の方のところへ移って行きました。

その後もお二人はずっと手を繋いだまま。

 

どちらも自分から他者に話しかけたりできない方同士なのですが。
手と手の温もりは心も温めてくれたようです。

 

言葉だけではなく、握手やアイコンタクト、微笑みなどの非言語コミュニケーションは人の心を開きます。

お話ができない方であっても、お声掛けしますと、指で示されたり、目配せで答えて下さいます。

面白いことには笑われ、答える代わりに微笑まれたりして、充分に意志は伝わってきます。

 

お花の時間は心の交流の時間でもあります。
お花が上手く生けられなくても、生けることが嫌な日でも、来たいと思っていただける場であるよう努めたいと思います。

 

 

他者との繋りを感じる時間はとても大切です。
その刺激は脳の活性化となり、認知症ケアにも役立ちます。

 

お花のセラピー♡生け方教室ではありません。