Ikebana therapyいけばな療法
癇癪を起こして花を投げ捨てた方の巻…(>_<)
2018.04.16
高齢者施設でのいけばなの時間にこんなことが起こりました。
細い茎が剣山に刺さりにくく一生懸命に刺そうとしておられましたが
「あー、もう嫌い!肩凝るし手が痛い!」
と突然癇癪を起こして、バンッと💥テーブルに花を投げ捨てられました。
そこで「わあ。細いと難しいですもんね。肩凝りますよね。」と言いながらお花になって「ごめんなさい」と花の頭を下げました。
花で手をスリスリしながら… 段々に顔に近付けて… まるでほっぺにキスをするようにしてみました。
そうするとニコニコしながり花を抱き締めて下さいました。
それから「お花が喜んでますね。さあ、もう一度やってみますか?細いから、それだけコップに入れてもいいですね。どうしますか?」とお尋ねしましたら、コップに生けて可愛い可愛いと喜ばれました。
ご自身でどうするかを決められましたので納得されたのです。
認知症が少しあると、普段は穏やかな方でも、思わぬことで過剰に反応して激怒されることがあります。
何が起こっても、何を言われても、まず受け入れます。
『それは間違っている、それはこうだ』ではなく、その時怒っておられたら怒りに、泣いておられたら悲しみに寄り添います。
『腹が立ちますよね。悲しいですよね。』からスタートして、その気持ちを共に感じます。
セラピストの心得の一つです。
高齢者の方でなくても全ての方に。
カラーでもアートでもアロマでも全てのカウンセリング、会話にも当てはまります。
高齢者様と心を通わせることができて、投げた花でまた楽しんでいただけて、凄く嬉しい瞬間でした。
そして、今日も皆様、花から色々なメッセージ、感想を仰って下さいました。
皆様、それぞれの感性と感覚で楽しんで下さいます。そして、他者との違いに驚かれたり、それをきっかけに会話が始まります。
花と対話、ご自身と対話、皆さんと対話の時間です。