Ikebana therapyいけばな療法
あなたが生けた花だから素敵なのです!
2019.02.02
いけばなの時間は見本はなく、自由に生けていただいております。
上手に生けることよりも個性で自由に表現することを楽しんでいただきます。
先日はタニワタリという長く大きな葉を使いました。
「こんな大きな葉はどうしたらよろしいの?」と皆さん戸惑っておられました。
「どうしたらいいでしょうね。」暫く考えていただきましたが悩んでおられました。
「長いままがお好きならこのままでもいいですね。」
「二つか三つに分けても使えますよ。」
「柔らかいから曲げてくせをつけたり、丸く丸めたり、色々やって試してみて下さいね。」
こんな風にもこんな風にもなりますよとお見せしながら、ご自分で考えていただきました。
すると丸くすることが普段ないので
「へぇー」「面白そう~」と目が輝き始め✨皆さん、一斉に丸め始められました。
丸くしても皆さん、様々です。
一つだけ丸くしたり。二つを丸くしても前後に添わせたり、横に並べたり。
ハートにしたり。
丸めずにカーブを活かしたり。
中にはこんな風に工夫して生ける方もいらっしゃいました。
どうです。この発想力! どれひとつとして同じ作品はありません。
自分の考えですることは不安であっても、その全てがOKであるなら
本当は「やりたい!」というものを見つけていくことは誰でも好きです。
誰にも笑われない! 必ずある良いところを誉められる!体験をしていただきます。
正解がないから心配がない。
誰でも好きなようにして、その個性を誉めて尊重し合う時間です。
それでも、華道をされたご経験がおありの方が多い年代の方々ですので
「上手く生ける方法を教えてちょうだい!」と仰っる方もいます。
上手く生ける方法をお伝えするのではなく
「どの花がお好きですか?その花が、目立つように生けたいですか?」
「どこで切りますか?ここ?それともここ?」と、ご自身で決めていかれるようにしながら
満足される生け方を見つけるお手伝いをします。
最終的には、華道の経験がおありの方も未経験の方も、どの方のお花も変わりなく素敵です。
最後まで自信が持てない方には
「私はこんな風に生けられたところが凄く大好きですよ。」
「生き生きして見えますね。見てるだけで元気が出てきましたよ!」
とお話していくと、嬉しそうにして下さいます。
「とてもお上手ですね。」とは言いません。
上手だから誉ているわけではなく、あなたが生けた花だから素敵なんだということをお伝えしていきます。
あなたの存在そのものが素敵なんだということを感じていただく為の時間です。
もう亡くなってしまった私の祖母や義母とも、こんな時間をもっと持ちたかったなと思います。
今更ながら、人が人を理由なく認めることの素晴らしさを実感できるようになって
そんな反省がわいたりします。
花で心が潤う時間を大切にしていきたいと思います。